難波真実「ひとこと便り」

三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)事務局長による、備忘録を兼ねた情報発信です

道南に行ってきました

 

 三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)の難波真実です。

 

 9月10日〜12日、三浦文学館の恒例行事「文学散歩」で道南に行ってきました。三浦綾子さんの第2作『ひつじが丘』の連載開始50年を記念して、2泊3日で文学の舞台を巡るという企画で、函館と大沼を訪れました。

 ちょうど台風が本州に到来し、その影響で催行も危ぶまれたのですが、無事に全日程を終えました。さすがに函館山からの夜景鑑賞は見送ることにしました。この次のお楽しみです。

 高田屋嘉兵衛のファンである私は、函館の坂に立つ彼の像を、今回の旅の立寄地に加えられたことを綾子さんに感謝しています。『ひつじが丘』にその名前を書き入れてくれたおかげで、正々堂々と(?)眺めることができました。石川啄木しかり、高田屋嘉兵衛しかり、綾子さんしかり、劇的な人生を歩んだ人々の姿を、しばし思い描くひとときとなりました。

 “坂”っていうのがいいんですよね。私は坂のある風景が好きです。濡れた石畳の道、小さな花の咲く草むらのある道、港を見下ろす道などなど。どの坂道も、人々の足どりと心の思いとを受け止めてくれているように思えます。悩みのときには足のつま先に力が入り、嬉しいときには文字通り足どりが軽くなります。“人の歩みというのは、生活であり人生そのものなのだなあ”と夕暮れの宝来町で、ぼんやりと考えていました。

 皆さまの益々のご祝福とご活躍を祈念しつつ

では、また!

 

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