難波真実「ひとこと便り」

三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)事務局長による、備忘録を兼ねた情報発信です

「男はその母によって育てられ、妻によって人間になる」三浦綾子『藍色の便箋』

「男はその母によって育てられ、妻によって人間になる」

三浦綾子『藍色の便箋』(小学館文庫)

「夫婦の愛」の章の、1つめの文章「一生かかって夫婦になる」からの引用です。

この言葉は、綾子さんの文章かどうかは不明です。本文中では、“最近私は、こんな意味の言葉を聞きました”と紹介しているためです。どこかで耳にした言葉なのかもしれません。原文をご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。

しかし、なるほどなあと思わせる言葉ですね。私も結婚して10年になりますが、今もって“人間になった”と言えるかどうか。日常のいろんな場面で未熟さを思い知らされます。それでも社会で生活できているのは、やっぱり妻のおかげだなあとしみじみ思います。

私が結婚式の司式をさせていただくときによく話すのは、

「自分が1つ“何かやってあげた”と思うときは、相手は10こ、してくれている。自分が1つ“ゆるしてあげた”と思うときは、相手は10こ赦してくれている」

ということです。どうしても、自分を軸に考えてしまうものですから、相手がどれだけ力をくれていたり、気を配ってくれていたり、あるいは赦してくれているかということが見えないのですが、夫婦に限らず、人の支えがあっての自分ということを普段から意識していたいものですよね。

では、また! 難波真実でした。

 

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