難波真実「ひとこと便り」

三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)事務局長による、備忘録を兼ねた情報発信です

美瑛町民になりました。昨日、今日と、十勝岳連峰の美しいこと。そして庭に福寿草も。

ごぶさたしております。ばたばたばたと過ごしておりまして。

3月20日に士別教会での最後の礼拝ご奉仕を終え、25日に美瑛町に転入いたしました。20日の礼拝は、なんとか平静を保つことができたものの感無量で、教会の皆さんが礼拝後に開いてくださった送別会では涙がこぼれそうになりました。

伝道師・牧師として8年間。つくも保育園時代を含めると13年間過ごした士別の街。士別・剣淵を、私は生涯忘れることはないだろうと思います(本籍も士別ですし)。引越はおおかた済んだものの、夏用の荷物が少し残っているので、また後日訪れることになりそうです。

さて、美瑛町。やはり、山が美しい。大雪山系も望めますが、近いのは十勝岳連峰。昨日も今日も、稜線がくっきりと見えて、薄青い空に高々とそびえ立っていました。圧巻の光景です。どちらかというと私は海のほうが好きなのですが、山もいいなあと単純に思いました。

昨日の朝、庭の花壇に鮮やかな黄色が。あれ?と思って近づいてみると、福寿草。なんとかわいらしいこと。春を告げる花の出現に、心が躍りました。花を見るだけで心が躍るなんて、私もそういう年になったのかなあと不思議な感じがしましたが。

三浦綾子さんの著作の“しっかり読み”は、このところの忙しさで途絶えていますが、先週、『積木の箱』と『雪のアルバム』を読了。特に『積木の箱』は、綾子さんの教育観がほとばしっていて感じ入りました。教師・悠二の描き方は特に腐心したであろうことは想像に難くないですが、私の印象としては、この悠二でよかったのだと思っています。この後の、『天北原野』や『泥流地帯・続泥流地帯』、『銃口』などに続く、教師と生徒の関わりの、第一弾として、教育現場が抱えるもどかしさや、教育のかけがえのなさなどが初々しく表現されているように思うからです。

『雪のアルバム』については、扱う内容について非常に深く感じるところがあったので、後日あらためて感想を書ければと思っているところです。

それにしても、どの作品も一度は既に読んでいるはずですし、『積木の箱』なんて2,3度読んでいるはずなのに、きれいさっぱり内容を忘れているなんて、恥ずかしいったらありゃしません。

というわけで、まもなく新年度。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

あ、文学館のイベント案内を少しばかり。「FAXマガジン」を発行しましたので、どうぞご覧くださいませ。(PDFファイルです)

では、また! 難波真実でした。