難波真実「ひとこと便り」

三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)事務局長による、備忘録を兼ねた情報発信です

ひとこと便り #12

 6月26日、小雨が降る中ではありましたが、「氷点の道」フットパスに参加してきました。

 三浦綾子記念文学館を出て、見本林を少し歩き、旧神楽農協へ。神楽小学校ではヒロイン陽子の“赤い服事件”に触れ、神楽支所跡地では父・啓造が陽子の出生届を出すくだりに触れ、と『氷点』の舞台を歩きながら、その世界と雰囲気を楽しみました。

 また、9条通りでは三浦綾子さんが青春時代を過ごした家の跡地も巡り、私にも青春の風が吹いたような心地がしました。

 約60名の参加者とあって、かなり大きな集団。街の方々は驚かれたかもしれませんね。でも、これだけたくさんの方が、文学散歩の要素を併せ持ったフットパスを楽しまれたということが、私には何とも嬉しく、充実したひとときとなりました。4条8丁目のバス停で、三浦光世さんが“氷点”のタイトルを思いついたところの説明をしていたとき、ふと、光世さんがすぐそこで見ておられたような気がして、気恥ずかしいというか、こそばゆいというか……。でも、50年を経た今でも、こうしてゆかりの地を楽しんで歩けるということに、さすが名作だなとあらためてその凄さを感じるとともに、この地に身を置いていることの幸せを覚えます。

 歩いてみたい方はご連絡ください。案内をさせていただければと思います。

 皆さまの益々のご祝福とご活躍を祈念しつつ

では、また! (難波真実)