難波真実「ひとこと便り」

三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)事務局長による、備忘録を兼ねた情報発信です

ひとこと便り #13

 今、我が家のちいさな花壇には小ぶりのユリが咲いています。少し離れて紅いバラ。その傍には名前を知らない青い小さな花。どれも前の家主さんが残してくれた花々です。

 また、小さな畑には、娘たちが植えたトウモロコシ、ミニトマト、ヒマワリがすくすくと育ち、青々とした葉を広げて陽の光を浴びています。最近は、次女が蒔いたスイカの種が芽を出し、本葉が開き始めました。見ているだけで元気になれる場所です。

 朝、仕事に出かける前に花の色と香りを楽しみ、夕方、早めに帰れた日は畑を覗きこんで若々しい緑を楽しむ。大きく息を吸い込むたびに幸せを感じます。

 今夜は満月でした。あまりに明るい月の光に息をのみながら帰ってくると、我が家の2階の窓からは娘たちが顔を出し、彼女らも月を楽しんでいるところでした。花鳥風月とはよく言ったもので、このごろ鳴き声が聞こえなくなったカッコウは、今頃どこにいるのだろうと、食卓で会話をかわし、雨が降り始めた夜に窓を開け、この風の匂いがすきなんだと呟く長女に成長を感じ、日々は過ぎています。

 むずかしいことはわからなくても、自然の世界の中で言葉に触れる、言葉の源を身体で感じる、そんな営みがあってもいいのでしょうね。

 皆さまの益々のご祝福とご活躍を祈念しつつ

では、また! (難波真実)